よくあるお問い合わせ | 【公式】パーソナルiPS
1.再生医療とは何でしょうか?
再生医療は、病気やけがなど様々な理由でダメージを受けた身体の機能を、細胞等を移植して治療する医療の総称です。現在、iPS細胞を用いた再生医療製品の研究および臨床試験が、世界中で行われています。
2.iPS細胞とは何でしょうか?
iPS細胞は、induced pluripotent stem cellの略称で、人工多能性幹細胞とも言います。皮膚や血液などの細胞に、数種類の遺伝子を導入することで作製することができ、心筋細胞、神経系細胞、肝細胞など、体内の様々な細胞に分化する能力(多能性)を持つのが大きな特徴です。一般的に、「万能細胞」と呼ばれており、現在、様々な再生医療への応用が進められています。京都大学の山中伸弥教授が、2006年世界で初めてマウスiPS細胞を樹立され、翌年の2007年にも世界初のヒトiPS細胞の樹立に成功されています。山中教授は、その功績により、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞されています。
3.パーソナルiPSで何ができますか?
パーソナルiPSは、ご本人の歯または尿から細胞を採取してiPS細胞を作製し、保管するシステムです。将来の病気やけがといった”万が一”に備えることができます。自分の細胞を自分に移植することを自家細胞移植と言います。最大のメリットは、拒絶反応が起こらないことであり、免疫抑制剤を服薬し続ける必要がありません。また、予め、パーソナルiPSを作製・保管しておけば、治療までの準備期間を短縮できるというメリットもあります。
4.他人の細胞でも治療に使えるのではないでしょうか?
他人の細胞を用いて行う治療は他家細胞移植と呼ばれています。理論的に大量製造が可能であるため、比較的安価に再生医療を提供できる可能性があります。しかしながら、他家細胞移植では、拒絶反応は避けられず、免疫抑制剤を服薬し続ける必要があります。一方、自分の細胞を移植する自家細胞移植では、拒絶反応は起こらず、免疫抑制剤も必要ありません。
5.iPS細胞を作る時に痛みやリスクはありますか?
パーソナルiPSでは、余剰な歯または尿に含まれる細胞からiPS細胞を作製いたします。このため、iPS細胞を作るために、皮膚、血液、組織等を新たに採取することはなく、新たな痛みやリスクはありません。当社技術では、歯の内部に含まれる歯髄細胞または尿中に含まれる細胞から、iPS細胞を作製し、将来の万が一に備えて長期に保管いたします。
6.保管されたiPS細胞は、何回の治療に使えますか?
皮膚、血液、歯髄細胞、臍帯血など、体内にある細胞は、通常、増殖能に限界がありますが、iPS細胞の増殖能は極めて高く、パーソナルiPSのお客様は必要な時に何回でも治療を受けられます。
7.iPS細胞の保管場所を教えてください。
作製したiPS細胞は、日本国内および米国の細胞保管施設の両方で保管いたします。万が一、天変地異により、どちらかの細胞保管施設が被災してしまったとしても、もう一方の施設で保管しているiPS細胞がありますので安心です。
8.パーソナルiPSを利用する人に年齢制限はありますか?
パーソナルiPSのご利用に年齢制限はありませんが、一般的に年齢を重ねるほど細胞に異常な変異が入る可能性が高くなるので、なるべく若い時にiPS細胞を作製されることをお勧めしています。また、年齢を重ねた細胞ほどiPS細胞の作製効率が落ちるという報告もあります。
9.iPS細胞はいつ作ってもいいのではないでしょうか?
一般的に年齢を重ねるほど細胞に異常な変異が入る可能性が高くなるので、なるべく若い時にiPS細胞を作製されることをお勧めしています。また、iPS細胞を前もって作っておくことで、治療を始めるための準備期間を短縮でき、迅速に治療を始めることも大きなメリットになります。
10.パーソナルiPS細胞はどんな病気に使えるのですか?
iPS細胞による再生医療の研究開発は世界中で進められており、すでに、臨床試験のステージに入っているものも多くあります。例えば、日本では、視力が低下し失明に至ることもある加齢黄斑変性や、ふるえ・筋固縮・動作緩慢が起こるパーキンソン病、虚血性心筋症などの臨床試験が進められています。こちらに主な治験および臨床研究の一覧を載せています。
11.iPS細胞を使った治療はいつ受けられるのですか?
現在、加齢黄斑変性、パーキンソン病、虚血性心筋症など、様々な疾患で臨床試験が進められておりますが、これらの治療法の承認のタイミングによります。まだ臨床試験に入っていない研究開発も世界中で積極的に進められていますので、今後、多くの病気の治療にiPS細胞が利用されるものと期待しております。
12.RNAリプログラミング法とは何でしょうか?従来の方法とは何が違うのですか?
皮膚や血液などの細胞から、iPS細胞を作製するプロセスをリプログラミングと言います。リプログラミングには様々な方法が用いられていますが、リプロセルでは最も安全性が高いと言われているRNAリプログラミング方法を長年開発してきました。RNAリプログラミング法では、リプログラミング因子として、数種類のRNAを細胞内に導入することでiPS細胞を作製します。RNAは元々細胞の中にある物質であり、分解されやすく、導入したRNAが長期的に細胞内に残存することはありません。また、遺伝子が存在する細胞核内には入ることができないため、元々の遺伝子を傷つけるリスクが極めて低くなります。これらの特徴から、RNAリプログラミング法は安全性が高く臨床応用に適していると言われています。
13.臍帯血や歯髄細胞とiPS細胞は何が違うのでしょうか?
臍帯血は、へその緒に流れている赤ちゃんの血液です。臍帯血の中には造血幹細胞が含まれており、白血病の造血幹細胞移植として広く使用されています。また、小児麻痺の臨床試験も行われています。しかしながら、臍帯血は出産のときにしか採取できず、出産の状況によって採取できない、または、治療に必要な量が確保できないこともあります。また、臍帯血中の造血幹細胞は、現在の技術では十分に増やすことができないため、治療には1回使えるかどうかという状況です。

歯髄細胞は、現時点で治療に使われている疾患はなく、臨床応用への研究開発も、iPS細胞に比べかなり少ないと言えます。また、歯髄細胞はiPS細胞に比べ、増殖能が限られているため、大量培養を必要とする治療法には向いていません。

一方、iPS細胞は、誰からでも簡単に細胞を採取して作ることができ、将来幅広い再生医療への応用が期待されています。また、増殖能が高いため、大量培養することで繰り返し何回でも使用できるというメリットもあります。