最終更新日: 2024年07月09日
iPS細胞(人口多能性幹細胞)は神経細胞、心筋細胞、肝細胞などさまざまな細胞に分化することができます。そのため再生医療の切り札として期待されています。
では、このようなiPS細胞はどのような細胞からつくられるのでしょうか?
実はiPS細胞は私達のほぼどの細胞からもつくることができます。なかでも、よく使われるのは、血液に含まれている細胞や皮膚の細胞です。これらの細胞は比較的採取しやすいためです。
ただ、比較的採取しやすいとは言っても、これらの細胞も、その採取には、採血や手術が必要になります。そのため、医療機関による処置が必要になり、体への負担も生じます。場合によっては、特にお子様などの場合には、これらの細胞からつくることが難しい場合もあります。
そこで、注目されているのが、尿に含まれている細胞です。尿には、膀胱や尿管などから剥がれ落ちた細胞が含まれていて、これらの細胞からiPS細胞をつくることができます。この場合、採尿するだけですので、医療機関による処置は必要なく、体への負担もありません。
また、他にも、歯の内部の細胞(歯髄細胞)からもiPS細胞をつくることができます。もちろんiPS細胞をつくるために抜歯するというわけではありません。自然に抜けた乳歯や治療のために抜いた親知らず、矯正のために抜いた永久歯などを有効活用することが想定されています。この場合も、医療機関による新たな処置は必要なく、体への新たな負担もないことになります。
以上をまとめると、iPS細胞は私達のほぼどの細胞からもつくることができます。ただ、最近では、血液に含まれている細胞や皮膚の細胞などよりも、医療機関による処置や体への負担の観点から、尿に含まれている細胞や歯の内部の細胞などが注目されています。
>>>パーソナルiPSについてはこちらで詳しく解説しています。
あわせて読みたい: